サブラヒの読書記録〜ときどき映画

読んだ本や観た映画を記録してあるだけのブログです。ネタバレはほぼありません。

山田風太郎は最高の時代小説作家だ...と思う!!

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著者:山田風太郎
書名:地の果ての獄 上 (山田風太郎 明治小説全集5)
発売:1997年7月(作品そのものは1970年代みたい)
発行:筑摩書房ちくま文庫
値段:950円
頁数:444ページ
読書日:2020年2月29日~2020年3月20日

こんな顔

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 明治小説全集5 「地の果ての獄」。北海道の樺戸監獄ってところに赴任してきた新人看守の有馬(実在の人物らしい)と囚人や同僚・上司看守たちの人間物語。いろんな囚人がそれぞれどういった理由でこの監獄に送られてきたのか?また、監獄での待遇や作業なんかが描かれていて飽きさせない。後の世にも知られている人もいっぱい出てきてその点でもワクワクする。

 明治小説全集は昨年やっと全巻買い揃えてチマチマと読んでやっと5巻め。1・2巻は、警視庁創設当時の物語。もともとこの2冊が読みたかった。3・4巻は、會津の侍から馬車の馭者になった老人を取り巻く物語。そしてこの5・6巻の刑務所看守を取り巻く物語だ。

 とても面白く読んでいる山田風太郎のこのシリーズだけど、毎日たくさん読み進められなくて時間がかかっている。今回も間に、ゴルゴ13とかヨビノリたくみさんのやつとか入れたんで時間がかかってしまった。それになんたって字が小さい!目が疲れて何時間もは読めない。

 もともと山田風太郎は「魔界転生」あたりから読み始めた。もう何十年も前のことだ。そのときはそれだけだったんだけど年取ったら時代小説がとても好きになって、その中でも山田風太郎物は最上位にランキングされる。

 山田風太郎の小説は、当然かなり昔のもので、最近では少しブームなのか時代小説コーナーがあるのに、田舎の書店にはなかなか売っておらず、蔦屋なんかにもコーナーはゼロ。BookOFFとかで中古が出たときに買ったりとか後はAmazonで手に入れるしか無い。なにせ山田風太郎は大正時代生まれですでにお亡くなりになっている人だ。

 Wikipediaより

 山田 風太郎(やまだ ふうたろう、1922年〈大正11年〉1月4日 - 2001年〈平成13年〉7月28日)は、日本の小説家。本名は山田 誠也(やまだ せいや)。伝奇小説、推理小説、時代小説の3分野で名を馳せた、戦後日本を代表する娯楽小説家の一人である。東京医科大学卒業、医学士号取得。

魔界転生』や忍法帖シリーズに代表される、奇想天外なアイデアを用いた大衆小説で知られている。『南総里見八犬伝』や『水滸伝』をはじめとした古典伝奇文学に造詣が深く、それらを咀嚼・再構成して独自の視点を加えた作品を多数執筆した。

 他の作家さんの小説は、時代小説であってもかなり昔のは文体も古臭く硬い感じがして何となく読みにくいのだが、山田風太郎の作品はどれも全然古臭さや硬さはない。そこが個人的にはとても好きなポイントだ。

 山田風太郎と言えば忍者もの。エロ小説でもあるのだが、それが笑えるようなエロで読んでいて全然嫌な感じがしない(女性が読めばそうではないかもしれないが)。

 ちなみにだが、どれもこれも結構好きなんだけど、山田風太郎で俺が一番好きな作品は、「叛旗兵 妖説直江兼続」だ。直江兼続がメインなんだけどめちゃくちゃカッコいい。前田慶次なんかが登場して最高に面白い。どの登場人物も実に個性豊かで面白い。さて、次は「地の果ての獄」の下巻に突入するぞ!