サブラヒの読書記録〜ときどき映画

読んだ本や観た映画を記録してあるだけのブログです。ネタバレはほぼありません。

明治の著名人の細君、、、凄い、、、

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著者:山田風太郎
書名:エドの舞踏会 (山田風太郎 明治小説全集8)
発売:1997年8月(作品そのものは1970年代みたい)
発行:筑摩書房ちくま文庫
値段:1,210円
頁数:429ページ
読書日:2020年5月15日~2020年6月8日

 明治小説全集の8巻目。  西南戦争が終わって、大久保利通も殺されその何年か後の話。 後の海軍大将や総理大臣を努めた海軍少佐山本権兵衛がストーリーを進めていく。アシスタント役に会津藩家老山川大蔵の妹であり日本初の女子アメリカ留学生の一人である大山捨松

 この二人が鹿鳴館で開催される舞踏会に時の権力者・有力者の奥方を訪ねて出席をお願いするあたりからそれぞれの物語が始まる。その権力者・有力者は、井上馨、伊東博文、山縣有朋黒田清隆森有礼大隈重信陸奥宗光、ル・ジャンドルとそうそうたるメンバー(でもル・ジャンドルは初めて聞く名前だった)。

 読む前は、想像もつかなかったが読んでみたら面白い。権力者・有力者も悪どかったりぶっ飛んでたりするが、案外いい人で魅力的なのだが、その奥方もまたそれ以上にもの凄く魅力てきだ。強く、優しく、逞しい。

 権力者・有力者の細君は芸者・遊女出身の女性が多いが、物語の中で山本権兵衛の上司西郷従道関ジャニ∞の人)が言う、「男は、元の身分がいやしいと、いかに出世しても、その人相にそれが残る。どころが女性は、貴族になったら、みんなみごとに貴族になる。」と。

 自分的には誰が一番印象深かったかなあ、、、?森有礼の奥方か、ル・ジャンドルの奥方か、、、いや陸奥宗光の奥方も捨てがたい。

 まあとにかくこれは本当に面白かった。読み終わったとジワッと余韻が来る。山田風太郎、すごい。