サブラヒの読書記録〜ときどき映画

読んだ本や観た映画を記録してあるだけのブログです。ネタバレはほぼありません。

面白い推理小説!さすがは山田風太郎。

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著者:山田風太郎
書名:明治断頭台 (山田風太郎 明治小説全集7)
発売:1997年8月(作品そのものは1970年代みたい)
発行:筑摩書房ちくま文庫
値段:840円(ブックオフで500円弱)
頁数:440ページ位
読書日:2020年4月6日~2020年5月14日

 明治小説全集の7巻め。「明治断頭台」。 これは明治維新後1年後くらいからの物語。まだ警視庁はなく、弾正台っていう警察組織がある。そこの大巡察(今だと部長クラス?それとも課長クラスか?)の香月経四郎と久しぶりに登場の初代警視総監・川路利良が部下のクズ邏卒(今だと巡査?)を使い事件を解決する。1巻2巻の「警視庁草紙」の10年くらい前の物語。

 これは推理小説だ。いくつかの事件を解決しながら最期の事件で完結する。謎解きは実に奇想天外な方法。人によっては「くだらん」と言うかもしれないような話だが山田風太郎らしい感じがする。

  • 事件1: 弾正台の邏卒の一人(係長クラス?)が殺されてその謎を解く。

  • 事件2: 幕末の戦犯、老中・唐津藩 小笠原 長行(おがさわら ながみち)の家老の一人が殺された謎を解く。

  • 事件3: 明治の黒幕、岩倉具視の影の懐刀が殺されその謎を解く。

  • 事件4: ちょん切られた足、殺された男、切腹した役人の謎を解く。

  • 事件5: 明治の有名な不正、山城屋疑獄に関係する殺人事件の謎を解く。

  • 事件6: 以上の事件の伏線回収をしながら解き進めていく。 あー、そうきたか。いやいや最後の最後にまた想像もしていなかった事が。

 最後の事件は、個人的にはもう少し別な終わり方の方が好きだがこれはこれで納得できる。

 最初の事件から最後まで謎解きの中心は異国仏蘭西から来た女性。それに5人のろくでなし邏卒(警官)とその上司たる川路利良と香月経四郎。
 最後まで読み切って初めて「明治断頭台」ってタイトルがピッタリだと気がついた。
最後まで全く飽きさせない一冊だった。さて次は、第8巻か。