読むほどに明治の興味が増す!
著者:山田風太郎
書名:地の果ての獄 下 (山田風太郎 明治小説全集6)
発売:1997年7月(作品そのものは1970年代みたい)
発行:筑摩書房(ちくま文庫)
値段:950円
頁数:460ページ位
読書日:2020年3月20日~2020年4月4日
明治小説全集6 「地の果ての獄」の下巻。上巻は個々の囚人の物語みたいなのがあって進んできたが下巻はいよいよ物語のクライマックス。ハラハラ・ドキドキした。有馬看守とその仲間たちが立ち上がって明治にチョづいている偉そうなやつに天誅を下す! 下されるのは、あの北越戦争で河井継之助をコケにしたアイツ。だから越後長岡の人にはちょっとうれしい物語かも。
秋山香乃の「龍が哭く」を読んだことのある人にはおなじみ、あの鴉組の細谷十太夫も出てきて実にいい仕事をする。連合艦隊司令長官 山本五十六のお爺さんも重要な役割を果たしている。
この物語にはその他、薩摩の益満休之助らしき人物も登場し前編から通して要所要所をしめてくれる。かっこいい。ちなみに時代は明治19年頃。
この下巻の半分くらいで終わっていて短編がいくつか収録されていた。
- 斬奸状は馬車に乗って
明治18年。ある青年が憎んでいる人物の真の姿を知って挫折する話。哀れ、、、 - 東京南町奉行
明治4年。天保の妖怪奉行鳥居耀蔵の晩年のお話。 - 首の座
明治元年九州鎮撫総督として長崎に乗り込んでキリシタンの男に行った沢総督の非道の話。江藤新平も登場する。 - 切腹禁止令
切腹はとんでもないほど痛いぞ!っというお話。切腹禁止令を発案した人の最期は、、、、。 - おれは不知火
これも幕末からの話。天下の大天才、佐久間象山の倅とその佐久間象山を暗殺した肥後の人斬り彦斎こと河上彦斎のお話。勝海舟や山岡鉄舟も出てくる。
全14巻なんでこれでまだ半分にも満たない。あと8巻、秋までかかるか?